UD・バリアフリー視点での通路・階段
公開日:
:
最終更新日:2016/03/05
KOFUの技術・作品, UD・バリアフリー
UD・バリアフリー視点での通路・階段について
マグロちゃん:
UD・バリアフリーというテーマで、これまで「園路」・「出入口」という着眼で具体的な内容で進めてきたけど、今回は「通路・階段」という着眼で進めていくから。まぁ、「園路」と「通路」の違いはなんだ、という指摘もありそうだけど、それだけ配慮すべき事項が多いということだろうね。
オーさん:
そうですね。
「園路」という着眼では車いす利用者に配慮しての段差の解消やすべり止め、或いは視覚障がい者に配慮しての散策用園路としてのあり方、についての説明でした。
公園内の園路を見渡した時に、それ以外では階段だとか手すり、転落防止等についても大事な視点だと思います。
マグロちゃん:
そうだね、そのあたりを「通路・階段」ということで整理していこうか。
園路でも若干触れたところだけど、UD・バリアフリーでは高齢者、障がい者、車いす利用者、ベビーカーといったキーワードが出てくるよね。だから何はさておいても、やはり安全に移動できる、という事だよね。
園路にも絡めた整理にもなるけど、まずは通路としての有効幅だとか勾配だよね。園路・出入口でも勾配という数値も出てきているけど、混乱しないように再度整理しておこうか。
オーさん:
はい(^_^;)
その前に通路幅についても再度整理しておきますけど、標準通路幅は90cm、歩行者とのすれ違いを考慮したバリアフリー新法では最低通路幅120㎝以上、そしてUD・バリアフリーへの観点から見ると、車いす使用者同士のすれ違いを考慮して通路幅としては180㎝以上が望ましい、ということです。これは後述する階段についてもしかりです。
通路については、縦断勾配(移動する方向への傾斜)は5%以下、つまり1mで5㎝以下ということです。部分的に5%以下が難しい場所であれば8%以下、しかも極力短い区間で、ということです。
ちなみに、通路の出入口についても段差を解消するためのすりつけの縦断勾配は8%以下、ということです。
横断勾配(移動する方向の直角勾配)については、車いす使用者にとっては進行が難しく、かつとても危険であるため1%以下とし、排水の状況等、やむを得ない理由がある場合のみ2%以下とします。
また、横断勾配を極力緩くするために、透水性の舗装を使用したり、雨水排水を緩い縦断勾配及び雨水排水横断側溝で対処する、といったことが重要です。
そして、横断勾配は片勾配ではなく、通路中央部から振り分けにして、特に通路中央部を緩勾配にするなど、工夫することが望ましいと言えます。
マグロちゃん:
うん、いろいろと数字が出てくるよね。
でも通路幅とか勾配について言えば、もちろんそれだけ明確な基準づくりが必要ということだよね。
では階段についてはどうかな。
オーさん:
階段の構造ですが、蹴上げ(けあげ)16㎝程度以下、路面30㎝程度以上、蹴込み(けこみ)2㎝以下とし、1ヶ所の階段では各寸法は一定にすることが望ましいです。既存の階段で蹴込みが空洞の階段の場合は、安全のために蹴込み板を設けるようにします。
それと、段鼻(だんばな)はつまずかないように突き出しがない構造とします。
マグロちゃん:
うん、いろいろと階段用語は難しいから、ちょっと説明しておくね(^_^;)
ちょっとフォトショップも使い慣れないけどね・・・
オーさん:
ありがとうございます(^_^;)
また、階段の登り口と降り口には長さ120㎝以上の水平部分を設けるようにします。
踊り場は高さ250㎝以下ごとに長さ120㎝の水平部分を設置します。
マグロちゃん:
階段で言えば、あとは「つまずき」だとか「転落等」の事故も発生しやすいので、特に明るさを確保することも大事だよね。
では、「手すり」と「転落防止」についてはどうかな。
オーさん:
はい、では手すりについて一気に説明させて頂きます。
1.手すりは階段の両側に連続して設置します。
2.手すりの形状は状況に応じますが、1段手すりとする場合の高さは75~85㎝を標準とし、2段手すりとする場合の高さは下部で65㎝程度、上部で85㎝程度とします。
3.階段幅が3m以上の場合、両側に加えて中間部にも手すりを設けることが望ましいです。
4.手すりの端部は、階段の登り口、降り口の水平部分に合わせて、水平部を60㎝程度設け、通路の外側(壁側)に巻き込むなど端部が突出しない構造として、衣服の袖や持ち物が引っかからないように配慮します。
マグロちゃん:
箇条書きの一気説明だね(笑)
それと、手すりは滑りにくく握りやすいものとし、年齢や握力、手の大きさに関係なく、すべての人が握りやすい安全性の高い、コブ型手すりを使用することするだね。それがまさにUDだよね。
また手すりは丸状で直径4㎝程度、堅固な素材で耐候性があるものが望ましよね。あと、特に沖縄の強い日差しによってステンレス製の手すりだと熱くなってしまうので、材質は滑りにくく且つ温度上昇を抑えられるように配慮された商品がベターだよね。
それと、手すりには点字表示板等を設けて施設案内の説明や現在位置の表示を明確にして、視覚障がい者に対しての情報提供や安全性にも十分に配慮することも重要だよね。
またそういった使途なので、点字部分は耐候性に強い材料で、しかもいたずら等によって点字欠損が起こっても欠損の判断がしやすく、また点字が潰れないようにすることも必要だと。
オーさん:
はい、そうですね。
では最後に転落防止に関してですけど、園路及び広場に近接して崖・段差等がある場合は、転落の危険があるので、人止めのための柵や立ち上がり、また注意を喚起する視覚障がい者誘導用点状ブロック等を設置して安全を確保することが大切です。
転落等の危険防止が必要な箇所の立ち上がり部の高さは、車いすの脱輪防止、視覚障がい者が杖で確認できる高さとして、最低でも5㎝以上として、落下の高さなど危険度に応じて立ち上がりの高さを設定します。
それと、柵は転落防止(落下の高さが2mを超える)の場合は110㎝以上で、かつ堅固な構造とする必要があります。また、車いす使用者等の視界を妨げない構造・形態が必要です。
マグロちゃん:
いずれにじても、きめ細かな配慮だよね。
そういったきめの細かさが、やがて一番大切な事である「心のUD・バリアフリー」になっていけば理想だよね。
うん、それが優しい社会づくりにもなるよね。

マグロちゃんこと加治木英隆

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