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ヨーロッパサッカーでの伝統の一戦、「クラシコ」ってご存知ですか?

公開日: : 最終更新日:2017/03/14 海外フィールド, サッカー芝ブログ

ガッツ・井山がお届けするヨーロッパサッカーの魅力発信シリーズ!

はい、というわけで今回のスタッフブログを担当させて頂きますのは、ガッツこと井山です。

なぜヨーロッパサッカーがこんなにアツいのか、それを知ってもらうために、今回はスペインサッカーの歴史を交えながらお届けさせて頂きます。

さて・・

ヨーロッパサッカーでの伝統の一戦、「クラシコ」ってご存知ですか?

クラシコとは・・・?

クラシコ(El Clasico)は、スペイン語で「伝統の一戦」(英語で言うところの”The Classic”)を意味し、サッカーのスペインリーグ、リーガ・エスパニョーラのレアル・マドリードとFCバルセロナの試合のことを指します。

スペインダービーとも呼ばれ、数あるナショナルダービーの中でも最も注目を集めるものの1つです。
出典:ウィキペディア(エル・クラシコ)

クリスティアーノ・ロナウド選手とリオネル・メッシ選手。この二人の名前は、サッカーをあまり知らなくても聞いたことがある人も多いと思います。

ちなみに世界のサッカー選手の長者番付でも一位と二位の選手ですからね。

そのロナウド選手とメッシ選手が所属するレアル・マドリードとFCバルセロナの試合が「クラシコ」という事なんです。

とにかく、このクラシコは毎試合、激しくてアツい試合展開になります。

なぜこんなにアツいのか、それは世界を代表する強豪クラブ同士の対戦ということもありますが、このクラシコを語る上で外せないのが、実はスペインの内戦の歴史なんです。

クラシコとスペイン内戦の歴史、カタルーニャ語に秘められたドラマとは!?

バルセロナのあるスペイン・カタルーニャ自治州はもともと住人の独立心が強い地域で、1930年代のスペイン内戦までは高度な自治が認められていました。

カタルーニャ自治州はスペイン語とは大きく異なる言語である「カタルーニャ語」が公用語として使われていました。

そのカタルーニャ語は、どちらかといえばフランス語に近い言語だそうです。

ところが、1930年代後半から始まったフランコ独裁体制下、スペイン首都・マドリードは手厚い優遇を受ける一方で、内戦では最後まで抵抗したカタルーニャ自治州は文化的弾圧を受けることになります。

その代表的なのは、カタルーニャ語の禁止です。今まで使っていた言葉が話せなくなることにより、カタルーニャの人々は当然さらに抵抗します。

その中で、独裁者フランコが黙認したと言われるのが、FCバルセロナのスタジアム、カンプ・ノウ内でのカタルーニャ語の使用です。

すなわち、カンプ・ノウはカタルーニャ語を話すことができる唯一の場所だったと言えます。

その後40年近くの間使用が禁止されていたカタルーニャ語は、独裁者フランコの死去によって解禁されましたが、カタルーニャの人々の心に大きなシコリを残すことになります。

このような背景からFCバルセロナはカタルーニャの人々にとって「クラブ以上の存在」と呼ばれるようになったとも言われています。

この「クラブ以上の存在」という言葉は現在、FCバルセロナの象徴的なスローガンにもなっています。

FCバルセロナのホームスタジアム
カンプ・ノウ(Camp Nou)
FCバルセロナのホームスタジアム

Més que un clubは「クラブ以上の存在」という意味です。

その後もマドリードとバルセロナの対立の歴史は根深く残り、それがレアル・マドリードとFCバルセロナの現在のアツいライバル関係に発展している、そんな声も数多くあるようです。

禁断の移籍、ルイス・フィーゴが招いた事件とは・・。

このようなライバル関係が長く続き、お互いのチームによる選手の移籍は暗黙のうちになくなっていきました。

たとえあったとしてもチームを代表する選手や試合にでるレベルの選手が移籍することはなく、出場機会を求めた若手選手の移籍がたまにある程度でした。

こんなにアツいライバル関係のチームに移籍したら「裏切り者」と呼ばれること間違いなしですよね。

そのような関係が続く中、2000年に「禁断の移籍」をやってしまったのが、ポルトガルの英雄ルイス・フィーゴ選手です。

FCバルセロナでヨーロッパ年間最優秀選手を受賞し、バルセロナのシンボルとしてキャリアの絶頂期にあったフィーゴは、もちろんファンからも愛される存在でした。

ルイス・フィーゴ
(Luís Figo 1972年11月4日 -)
ルイス・フィーゴ

そんな中、当時のヨーロッパサッカーの移籍金最高額を更新する7385万ユーロ(約100億円)でFCバルセロナからレアル・マドリードへの移籍が発表されました。

しかも「レアル・マドリードに移籍することは絶対にない」と言った3日後にレアル・マドリードへの移籍が決定したんです。これには政治的背景があったという噂もありますが、熱狂的なファンの気持ちは手に取るように分かりますよね。

FCバルセロナのシンボルであったフィーゴは「ペセテーロ」(守銭奴)と罵られるようになります。

移籍決定から3カ月が経過しても、人々の怒りは収まりません。むしろ、レアル・マドリードの一員として平気な顔をしてプレーするフィーゴに対する憤りは益々高まっていきます。

そして、ついに事件は起きます。2000年10月21日。

フィーゴがボールを持つたびに、FCバルセロナのファンのブーイングが起き、レアル・マドリードのコーナーキックの場面ではコーナーフラッグに向かうキッカーのフィーゴに対して、「裏切り者、守銭奴!」と罵り、あらゆる物が投げ付けられます。フィーゴの顔が印刷された偽札、ペットボトル、ライター、携帯電話、酒の小瓶、そしてなんと豚の頭まで・・・。
(2000年10月21日)

これによって試合は約10分間中断となり、結局フィーゴはコーナーキックを蹴ることができませんでした。

この事件はクラシコの歴史として、現在も多くのサッカーファンに語り継がれています。

実力も拮抗しているからこそ、この2チームから目が離せません!

そんな数々のドラマを生んでいるクラシコですが、最近では試合中に小競り合いなどが起きることも少なくなり、正当なプレーで競い合う側面が強くなってきています。

ファンにとっては非常にハイレベルで楽しい試合を見ることができます。

試合の勝敗もレアル・マドリードが93勝91敗48分、と実力も非常に拮抗しており、2015‐2016シーズンのクラシコも2試合が行われましたが、お互いに1勝1敗と譲らず、いつも見る人をハラハラ・ドキドキさせてくれます。

そして、今年のリーグ優勝はFCバルセロナでした。

最終節までもつれ込んだスペインリーグ、2位のレアル・マドリードとは勝ち点差僅か「1」で、まさに激闘のリーグでした。

そして残念ながら2位に終わったレアル・マドリードですが、ヨーロッパチャンピオンズリーグでは決勝までコマを進めています。

皆さんもスペインのこの2チームの歴史を鑑み、是非ともクラシコにご注目ください!

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KOFU-FIELD STAFF

KOFU-FIELD STAFF

フィールドづくりのアドバイザー/設計・施工・維持管理の専門家集団、コンサルタント集団という自覚と責任をもって、お客様視点での価値ある提案を念頭に日々活動しているKOFU-FIELD STAFF。「独自の技術で独自の価値を」というスローガンのもとで「専門スキル×連携力=チーム総合力の発揮」を行動指針として事業展開に取り組む。KOFU:Kingdom of Fantastic Unit!

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