防球ネットにおけるコンクリートポールと鋼管柱について
公開日:
:
最終更新日:2015/12/06
KOFUの技術・作品, 防球ネット
防球ネットにおける「コンクリートポール」と「鋼管柱」の違いについてお伝えします。
防球ネットの設計提案において、「コンクリートポール」と「鋼管柱」について良く尋ねられることがあるので、今回はそのあたりを整理しておきます。
防球ネットコンクリートポールと鋼管柱と比較ポイント
いずれも地上高20~40Mを想定した場合の比較基準項目と内容については、一般的に以下の通りとなります。
スパン:
コンクリートポールは10~11M、鋼管柱は20~22M。
耐候性:
鋼管柱においては錆等によりメッキが必要となります。
景観:
コンクリートポールはテーパーがあるので見栄えが良く、鋼管柱は基本的に上下同じ太さのために威圧感を感じるという声があります。(但し、これは主観的見解によるものです)
設置場所:
コンクリートポールはスパンが短いのでアールに対応できますが、鋼管柱で同様の対応をしようとした場合、どうしてもコスト高となってしまいます。
施工性:
コンクリートポールより鋼管柱の方が材料納期に時間を要します。
ネットメンテナンス:
コンクリートポールは固定張りのため基本的にメンテンスフリーですが、鋼管柱は昇降式のためメンテナンスが必要となります。(強風時にネットを降ろす作業が必要)
コンクリートポールの優位性
コンクリートポール 鋼管柱地上高が20~40M程度という条件で比較した場合、一般的にはコンクリートポールが優位と言われていますが、これは以下の通りです。
1.「耐候性」を考えた場合のコスト差
やはり鋼管柱では錆対策(地上高40Mでの塗装の塗り替え作業では高コスト)が必要となるので、またこれを回避するための「耐候性鋼管」であったとしても、同様にコスト面での負担が懸念されます。
2.「維持管理」を考えた場合のコスト差
維持管理(メンテナンス)においては、コンクリートポール(=固定式ネット)はメンテナンスフリーであるのに対し、鋼管柱(=昇降式ネット)では昇降・下降時の電気料金やウィンチ操作時のワイヤーの乱巻確認、ネットと金物の接触確認等の人的費用といったコストがかかってしまいます。
また、昇降式ネットでは上下動作中にネット損傷を招きやすく、制御盤の人的操作ミスが原因での柱の倒壊リクスもあります。
景観的には、上の写真比較にあるように、コンクリートポールが先細になっているために見た目が良いと感じる声が多いです。
従って、地上高が20Mから40M程度の防球ネットにおいては、コンクリートポールを利用したネット固定張りが最近の主流となっています。
鋼管柱の優位性
では、鋼管柱の優位性は何かを考えてみた場合、それは支柱間スパンの長さと地上高への対応にあります。
それは、「コンクリートポールでは地上高で45Mを超える場合には構造的に対応が困難」ということです。
また、支柱間スパンについては、コンクリートポールが一般的に10Mであるのに対し、鋼管柱は一般的に20Mとなっているので、ほぼ直線箇所に防球ネットを施工をする場合には、鋼管柱の方がコスト的にも優位だと言えます。
つまり、地上高45M以上でほぼ直線箇所・・
例えば「ゴルフ練習場」などでは鋼管柱の選択がベターとなります。
野球場の場合
コーナー部分(アール)の多い野球場、更に地上高20M~40Mという事を考えると、支柱間スパン10Mでのコンクリートポール(コンクリートポール+一部鋼管)を採用した方が、景観的にもコスト的(メンテナンス含む)にも望ましいといえます。
また、ネット昇降式(=鋼管柱)だと公式戦を行っている最中に強風(突風)によってネットを降ろす必要が生じ、それによって試合がストップすることにもなりかねないので、そういった観点からも固定式(=コンクリートポール)が望ましいという判断になります。
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