スポーツターフにおける床土構成・土壌改良のご提案
スポーツフィールドとして使う天然芝グラウンド(スポーツターフ)の整備や、現状のコンディションの悪さを改善したいと考えている施設管理担当者の皆様へ。
スポーツターフにおける床土構成・土壌改良のご提案をします!
スポーツターフは、サッカー・ラグビーなどの激しいスポーツをはじめ、一般利用者のスポーツ等、数多くのシーンで利用されるので、いわゆる子ども達が遊ぶような芝生広場とは一線を画します。
そのため、多くの利用環境に耐え、かつ選手及び利用者の足腰への負担軽減とスポーツフィールドとしてのコンディションを維持しなければなりません。
従って、スポーツターフにおいては土壌改良による床土構成こそが重要な鍵となります。
床土構成の条件とは?
健全で良好なコンディションを保つ「スポーツターフを作る床土条件」は以下の通りだと言えます。
①芝草に必要な土壌有効水を持っていること
②排水が良好で土壌物理性が変化しにくい土壌構造であること
③日照や風通しが良く生育範囲の気温及び地温を保ちやすいこと
④気象の変化に対応する構造であること
これらの条件を満たすのは基本的に砂となります。
それは、物理性の変化のしにくさや回復の早さだけでなく、芝生に必要な養分・水分を保持でき、かつ地温の上下に敏感だからです。
しかし、砂の中に含むシルト分・粘土分が多いと排水能力が悪くなる原因となるので、シルト分や粘土分の少ない粒度調整砂を選択する必要があります。
生育層厚の検討について
スポーツターフにおける生育層の厚さは、一般的に30㎝~45㎝程度が理想とされています。
これは、過酷な条件の中での芝生の回復力及び維持管理におけるスポーツターフの維持向上においては、芝の生育層の厚さの確保が重要だからです。
また、一般的には表面の芝生の美しさに目が行きがちなんですが、重要なファクターとしては「地下茎」及び「根」となります。
傷んだ部分の回復、健全な芝生を維持するためには根が浅いと養分・水分の吸収力が少なく、また回復力の低下・乾燥におけるストレスを引き起こしてしまいます。そのため芝生の床土全体に根を張らせることにより、養分・水分の吸収力を高める必要があります。
排水不良により水はけが悪い場合、根が深く入らなくても水分を吸収できるため浅くなります。しかし、根が浅くなった所に乾燥して芝生が健全な状態を保つのが難しくなるため、床土の構成と厚さは密接に関係しているので十分なバランスをとるのが重要となります。
従って、通常の我々の提案としては、床土構成は粒度を調整したシルト・粘土分が少ない粒度調整砂、生育層の厚さは30㎝とします。
土壌改良について
土壌は芝草の生育に大きな影響を与えるファクターであり、その土壌環境を構成する要因は複雑ですが、主に物理的要因・化学的要因・生物的要因に分けられます。
土壌の保水性や排水能力などの物理的要因や、土壌中の養分含有量や保肥力などの科学的要因の良否が芝生植生の品質や維持管理に大きく関与してきます。
排水性・通気性の悪い土壌環境は芝草に対して生育不良や病害の発生を助長しますし、土壌のpHやCEC(※)値、土壌有効菌が不適切な土壌環境は芝草の生育を阻害することになります。
※pHとは酸性かアルカリ性かを示す数値で、pH6.0~7.0が最適値と言える。
※CECとは塩基置換容量(イオン交換容量)のことで、肥効養分を蓄えておける量や緩衝力を示す数値で、大きいほど肥料を保持する能力がある土と言える。
従って、前述した通り、土壌は芝草の生育に大きな影響を与えるファクターですから、特にスポーツターフにおいては土壌改良が重要なテーマとなります。
ここで、改めて「土壌改良の目的」を整理すると・・
①活着促進のための基肥
②土壌の保肥力を増大させる
③保水性を高める
④透水性を高める
となります。
これを一つひとつ掘り下げると、かなり長くなりますけど・・
土壌改良の具体的アプローチ
そこから先は個別の案件に応じたアプローチですね。
土壌環境を構成する要因を考え、土壌改良の目的を達成するための土壌改良材、及びその混合割合を使用する砂に合わせて検討する、という事です。
材料の選定には、現状土の利用可否の判定、客土の選定、現状土や客土の土壌改良の方法など、いずれにおいても専門機関にて土壌分析を行うことが不可欠であり、それに立脚した有機質・無機質をバランス良く配合することによって、土壌環境を適正に整えることが大事だと言えます。
スポーツフィールドとして使う天然芝グラウンド(スポーツターフ)の整備や、現状のコンディションの悪さを改善したいと考えている施設管理担当者の皆様へ。
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